
ハウスダストはアレルギー性疾患の原因として有名ですが、その実体は家内の塵(チリ)のことで繊維類や鉱物類、人や動物の皮垢、動物の毛、タバコの灰、細菌、カビなどが含まれています。そのなかでも室内のチリダニがハウスダストアレルギーの主な原因であるということが分かっています。室内のチリダニは人や動物のフケなどのハウスダストを栄養源としているため、ダニとハウスダストの対策は同じ意味を持っています。
室内のチリダニのなかで、アレルギー性疾患(アレルギー性鼻炎・アトピー性皮膚炎・喘息など)の主な原因、つまり抗原(アレルゲン)とされているのは、チリダニ科に属している「ヤケヒョウヒダニ」と「コナヒョウヒダニ」です。その大きさ自体は0.2~0.3mmですが、これらの死骸や排泄物は10~40μmと小さいため容易に空中に飛散します。これら全てが抗原(アレルゲン)となるため、生きたダニの駆除だけではダニ抗原の除去にはなりません。
ダニは卵から成虫になるのに3週間ほどかかり、寿命は約100日前後でメスは毎日2~3個の卵を産みます。気温25~30℃、湿度60~85%が繁殖に適しています。
近年、日本の住宅が通気性のよい木造建築から、気密性や保湿性の高い洋風の建築様式に変化したこともダニの繁殖に適した条件となりダニの増加につながっていると考えられています。









ダニは掃除機に吸い込まれた時の衝撃で大部分は死んでしまいますが、粉々になった死骸や、ダニの排泄物はクリーナーを通り抜け、抗原として室内にばらまかれてしまいます。そのため掃除機には排気循環式や目の細かいフィルター付き掃除機などを使用することが望ましいでしょう。また、掃除機の排気を直接屋外に出すために、掃除機本体を屋外に出し延長ホースを用いて掃除をするという方法もあります。掃除機での掃除は週に1、2回は丁寧に行いましょう。
ダニにとって畳やじゅうたんは、湿度が保たれ、エサとなるフケや垢、お菓子のクズなどが繊維の隙間に入り込み繁殖しやすい環境といえます。そのため床はフローリングにすることが望ましいでしょう。また、日本の住宅によくみられる畳にじゅうたんをひくスタイルは最も悪い状態といえ、畳とじゅうたんの間は湿度が保たれ、掃除がほとんどされないためダニにとって格好の住みかとなってしまいます。
羽毛や羊毛の布団はダニの繁殖に適すため避けた方がよいでしょう。布団は木綿が好ましく、枕は通気性のよいものを選びましょう。枕は人のフケが付着しやすく、睡眠中は体温により暖められ、頭部の汗を吸い、ダニにとって最適の生育環境となります。通気性のよい枕を使うことにより湿度や温度を下げダニの生育を抑えることができます。
ダニは60℃の熱湯で死んでしまいます。しかし、その死骸や排泄物などのダニ抗原(アレルゲン)は100℃以上でなければ性質は変わりません。また室内に少しでもダニがいると、再び布団で繁殖することになります。天日干しではダニを直接殺すことはできませんが、布団から水分を取りダニの生育を抑え数を減少させることができます。またダニの死骸や排泄物を除去するためによくはたき(必ずマスクを着用しましょう)掃除機をかけてから取り入れましょう。
冬布団が押入れにしまわれている夏場はダニにとって増殖の時期です。きちんとしまわないと付着した、人のフケや垢をエサにして繁殖し、何度も世代交代を繰り返します。そして、ダニの繁殖時期を過ぎた冬に押入れから布団を出すと、溜まっていた大量のダニの死骸や排泄物がアレルゲンとなり、ダニの少ない冬場でもアレルギー反応を起すことになります。
室内のダニの繁殖場所は床や布団だけとは限りません。洗濯されていないもの、天日干しされていないものは要注意です。ぬいぐるみ、カーテン、ソファーなどはダニの繁殖場所に適しています。カーテンやぬいぐるみは、こまめに洗濯をし天日干しを行い、ソファーなどもこまめに掃除機をかけることを心がけましょう。
ダニは高温・多湿を好み、そのため夏場が繁殖のピークになりますが、最近の住宅環境の気密化により、冬場でも増殖します。ダニの特徴は体内の水分が失われやすい構造になっています。そのためダニの増殖には湿度が絶対条件となります。ダニの増殖は湿度が50%以下になると激減します。夏場は冷房で室内の温度を下げるよりも除湿の方がダニの除去には効果的といえるでしょう。
