原因と対策について知る花粉症原因植物の解説と対策

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各植物名をクリックすると、解説と写真がご覧頂けます。※一部解説と写真のない植物もあります。

植物名 / 月 1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月
ハンノキ                
ウメ                    
スギ                  
ヒノキ                    
オオバヤシャブシ                    
シラカンバ                  
コナラ                    
クリ                  
カモガヤ                    
ギシギシ                
オオアワガエリ                  
ヒメガマ・コガマ                    
ブタクサ                  
カナムグラ                  
ヨモギ                    
ススキ                    
セイタカアキノ
キリンソウ
                   

※このカレンダーは、おおよその飛散時期をご紹介しています。詳しくは地域別花粉症原因植物情報をご覧ください。

ハンノキ

  • 分類:カバノキ科ハンノキ属
  • 花期:1月~4月

日本全土に分布している落葉高木で、湧水地や湿地に自生している植物です。高さは15~20mで樹皮が細かく割れているのが特徴です。また、花は葉が付くより先に開花し、枝先に4~7cmの尾状の黒紫色の雄花を垂らします。

ウメ

  • 分類:バラ科サクラ属
  • 花期:2月~3月

もとは中国中部原産の落葉高木ですが、奈良時代に渡来し古くから親しまれています。日本全土で果樹・庭園樹として広く分布しています。高さは5~10mで、白・紅・淡紅などの色をもつ丸みのある花をつけとても良い香がします。

スギ

  • 分類:ヒノキ科スギ属
  • 花期:2月~4月

本州、四国、九州の山中に分布する常緑高木。日本原産の植物ですがほとんどが植林されたものです。樹皮は赤褐色で幹は直立し高さは30~40mにもなり、針形の葉が螺旋状につきその枝先に雄花がつきます。雄花には淡黄色の花粉が貯えられ、早春に大量の花粉を飛散させます。花粉表面のカギ状の突起が特徴的です。

スギ
スギ

ヒノキ

  • 分類:ヒノキ科ヒノキ属
  • 花期:3月~4月

主に本州(福島県以南)、四国、九州に分布する常緑高木。天然林もありますが、ほとんどは植林によるものです。高さは30~40mにもなり、幹の直径1~2mに達し樹皮は灰褐色で縦に裂ける。枝はやや垂れ下がってつき、鱗片状の葉が密生しています。小枝の先に多数の雄花がつきます。

ヒノキ
ヒノキ

オオバヤシャブシ

  • 分類:カバノキ科ハンノキ属
  • 花期:3月~4月

関東以西から紀伊半島までの太平洋沿岸地域に分布している落葉低木。根が深く、やせ地でも成長が早いことから、治山や緑化を目的として植樹されています。高さは5~10mにもなり、4~5cmの尾状に黄褐色の雄花をつけます。

シラカンバ

  • 分類:カバノキ科シラカンバ属
  • 花期:4月~6月

北海道、本州中部以北に分布している落葉高木。日当たりの良い山地に自生していますが、緯度の高い地方では並木や庭木としても広く植えられています。樹皮が白く剥がれやすいのが特長で、一般的に「白樺(シラカバ)」と呼ばれています。高さは10~20mにもなり、紅黄色の穂状の雄花を多数つけます。

シラカンバ
シラカンバ

コナラ

  • 分類:ブナ科コナラ属
  • 花期:4月~5月

北海道、本州、四国、九州の雑木林に自生する落葉高木。ドングリのなる樹木であり、その他、木炭やシイタケ栽培の原木としても利用されています。高さは13~20mにもなり、雄花は新芽とともに伸び、6~9cmのヒモ状に黄色の花をつけます。

コナラ
コナラ

クリ

  • 分類:ブナ科クリ属
  • 花期:5月~7月

北海道西南部、本州、四国、九州に分布する落葉高木。自然林にも多く自生しており、縄文時代から保存食などとして利用されてきました。高さは15~20mにもなり、樹皮は淡褐黒色をしており雄花は穂状で小毛を密生します。臭いも強く昆虫をよく引き付けます。

クリ
クリ

カモガヤ

  • 分類:イネ科カモガヤ属
  • 花期:5月~6月

ヨーロッパ原産の植物で、オーチャード・グラスと呼ばれ牧草として広く栽培されていますが、現在は野生化し日本全土の道端や荒れ地などによくみられる野草です。高さは0.3~1.2mで、葉は少し白みをおびた緑色をしており、小花は枝先に集まった形をしていて大変特徴的です。

カモガヤ
カモガヤ

ギシギシ

  • 分類:タデ科ギシギシ属
  • 花期:5月~8月

日本全土に広く分布し道端や土手の比較的湿ったところに良くみられる野草です。「羊蹄(ようてい)」とも呼ばれその根は生薬として用いられています。高さは0.4~1mで、茎の上部に穂状に淡緑色の花を輪生させます。

ギシギシ

オオアワガエリ

  • 分類:イネ科アワガエリ属
  • 花期:6月~8月

ヨーロッパ原産の植物で、チモシーと呼ばれ牧草として広く栽培さていますが、現在は野生化し日本全土の道端や荒地などによくみられる野草です。高さは0.5~1mで、線形の葉を持ち、緑色状の穂状の花をつけます。

オオアワガエリ

ヒメガマ・コガマ

  • 分類:ガマ科ガマ属
  • 花期:7月~8月

北海道、本州、四国、九州に分布する野草。沼や池の岸辺や休耕田のような湿地に自生しており、高さは1~2mになります。特長的な茶色い穂のような部分は雌花で、その上に小さく無数に咲くのが雄花です。花粉は「蒲黄(ほおう)」と呼ばれ漢方で止血効果があるとされています。

ブタクサ

  • 分類:キク科ブタクサ属
  • 花期:8月~10月

ヨーロッパ原産の植物で、オーチャード・グラスと呼ばれ牧草として広く栽培されていますが、現在は野生化し日本全土の道端や荒れ地などによくみられる野草です。高さは0.3~1.2mで、葉は少し白みをおびた緑色をしており、小花は枝先に集まった形をしていて大変特徴的です。

ブタクサ
ブタクサ

カナムグラ

  • 分類:クワ科カラハナソウ属
  • 花期:8月~10月

日本全土の道端や荒れ地、薮などでよくみられるツル草で、つるを伸ばし茎や葉柄にある下向きのトゲでほかの木や草にからみつくように自生しています。花粉を飛散させる雄花は花茎から白く小さな花を咲かせます。

カナムグラ
カナムグラ

ヨモギ

  • 分類:キク科ヨモギ属
  • 花期:9月~10月

本州、四国、九州の道端や野山に広く分布しており、草餅やお灸のもぐさとして使用される野草です。葉は波状に切れ込んでおり、表は緑色ですが裏は綿毛があり白く見えます。高さは0.5~1mで穂状に小型の花を咲かせます。

ヨモギ
ヨモギ

ススキ

  • 分類:イネ科ススキ属
  • 花期:9月~10月

日本全土の道端や荒れ地、土手などでよくみられる野草です。高さは1~1.5mになり、花穂は細長く短い小さな穂に分かれ黄色がかっています。花の形が動物のしっぽに似ていることから「尾花(オバナ)」と呼ばれ、クズやキキョウとともに秋の七草に数えられています。

セイタカアキノキリンソウ

  • 分類:キク科セイタカアキノキリンソウ属
  • 花期:10月~11月

アメリカから帰化した植物で、現在は日本全土の道端や荒れ地、土手などでみられる野草です。高さは2~3mで、よく河川敷などを黄色の花穂で埋め尽くすように群生しています。別名のセイタカアワダチソウは背が高いことと花が泡立つようにたくさん咲くことに由来します。

セイタカアキノキリンソウ
セイタカアキノキリンソウ

花粉症原因植物の対策

「スギ・ヒノキ花粉の季節が終わったのに症状がおさまらない」。近頃こんな患者さんをよくみかけます。アレルギーを引き起こす植物には「スギ・ヒノキ以外の樹木」「カモガヤなどのイネ科の植物」「ブタクサやヨモギなどのキク科の植物」などがあり、国内だけでも約60種類が報告されています。また、他にもハウスダスト・ダニ・動物(ネコなど)がアレルギーを引き起こす原因となっている場合もあります。スギ・ヒノキ花粉の季節が終わっても症状がおさまらない方、年間を通してアレルギー性鼻炎の症状がある方は、最寄りの医療機関で早めの診察または検査を受けてください。

スギ・ヒノキ花粉の季節が終わったのに症状がおさまらない

花粉症の症状がある場合は、早めの検査でアレルギーの抗原を知る

国民の17%がスギ花粉症だとされていますが、そのうち純粋にスギ花粉だけの患者は13%しかいなく、ハウスダストやダニを重複している人が59.3%、イネ花粉(カモガヤ・ハルガヤ・ギョウギシバ)などが57.1%、この3種類の抗原を重複している人が41.8%にものぼっています。どのような治療を行うか、またセルフケアを心がけるためにも原因抗原チェックは重要です。
我々の調査では、その他原因抗原頻度の高いものに、ヨモギ(21.2%)、ブタクサ(13.6%)、ネコ(18.8%)などがありました。スギ花粉の季節以外にもアレルギー性鼻炎の症状がある場合は、詳しい抗原を調べる必要があります。

生活環境に自生する原因植物を良く知る

原因植物は種類により花粉の飛散時期もさまざまで、花粉の飛ぶ距離も異なります。
花粉カレンダーを利用して原因植物の飛散時期をよく知っておくことが大切です。
また、自分の生活する地域や家のまわりにどんな花粉症の原因植物があるか、その植物の飛び方や自生地域をよく知っておくことも重要です。(一般的な植物の解説・地域で特徴のある原因植物)の写真や解説を参考に、自分のまわりにどんな原因植物があるかをチェックし、以下の予防と対策を行いましょう。

職業性花粉症ってなに?

職業性花粉症の原因となるリンゴ・サクランボ・ウメ・ナシ・イチゴなどがあげられます。果樹園やハウス栽培で働く人は職業性花粉症が起こる場合があります。
作業上どうしてもその植物に触れなければならない場合は、メガネやマスクの着用を心がけてください。あらかじめ医療機関でアレルギーの抗原検査を受け作業上の注意点なども医師に相談しましょう。

花粉症の予防と対策

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◆住まいのまわりの原因植物は除草しましょう

花粉症の原因植物ブタクサやカモガヤなどの雑草が身近に自生している場合は、その雑草を切り取り除去することで花粉症発生源の対策が可能です。この種類の花粉はあまり遠くまで飛ばないのが特徴のため除草である程度は防ぐことが可能です。除草を行う場合は根本から除草しないと翌年また花粉症の原因となります。花粉の飛散時期に除草を行う場合は花粉症の人はメガネやマスクなどを忘れずに使用して下さい。また除草作業が終わった後に室内に花粉を持ち込まないよう注意して下さい。
河川なども地方の自治体で除草している地域もあるため相談してみるのもよいでしょう。

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◆なぜ、メガネやマスクが必要か?

花粉症はアレルゲンである原因植物の花粉(抗原)がそれに対抗する体内の物質(抗体)を作り、再び同じ花粉(抗原)が体内に入ってくるとその抗体と反応して症状を起こします。この反応をアレルギーと呼んでいます。このため予防対策の基本は、花粉を体内に入れないこと、つまりアレルゲンを除去・回避することが基本です。スギ花粉の時期が終わっても身近な生活環境(自宅の周囲、通勤、通学など)に原因となる植物がある場合は、メガネやマスクは常備しておくとよいでしょう。

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◆どのようなメガネが良いか?

くしゃみ、鼻水、鼻づまりだけが花粉症の症状とは限りません。咽頭、喉頭の症状のほかに眼症状も重要なポイントです。このような眼症状を予防するためにメガネも対策用具として必要なものといえます。花粉症対策で使用するメガネは、横の空いたメガネより、横にカバーの付いたゴーグル型のメガネが効果的であると報告されています。

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◆どのようなマスクが良いか?

良いマスクの選び方は、花粉がよくとれることですが、息がしやすいということと矛盾した関係が要求されます。市販されているマスクを花粉捕集率と空気抵抗を測定する装置を考案し検討した結果、市販価格の高価なマスクが良いとはいえませんでした。高価なマスクより安くて良いマスクを使い捨てする方が衛生面からいっても良いと考えられます。花粉によるマスクの目詰まりを考えても1日1回の使い捨てができるものを選びましょう。マスクの性能に関する調査データは和歌山・泉南花粉研究会のページで詳しく公開されています。
http://www2.kankyo.ne.jp/nisseki-w/kafun/mask1.htm(※外部サイトへリンクします)

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◆花粉を室内へ入れないようにする

花粉を室内に持ち込まないことが大切です。原因植物の自生する場所に出かけたり、通勤・通学などで原因植物の近くを通られる方は、帰宅した時に必ず衣服をよく払い家に入る。また、洗顔、うがい、入浴を行い、外出時に着ていた服は取り替えるなどの配慮が必要です。

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◆室内に入った花粉を除去する

室内に進入した花粉は、かなりの時間室内の空気中に浮遊し続けるが、いずれは床面などに落ちるので、掃除をまめに行ないましょう。取り除く掃除は花粉だけでなく室内のハウスダストやダニの除去にもつながります。空気清浄機は、ほこり、ダニ、花粉の除去が可能とされている「静電気フィルター式」「電極板方式」「フィルター方式」などのものがあります。花粉に対する報告はありませんが、通年性のアレルギー性鼻炎患者では空気清浄機の使用で改善度は75%以上であったと報告されています。

◆参考文献

花粉症診療の質を高める—内科医への20の診療ナビゲーション—
編集:榎本 雅夫・福井 次矢・藤村 聡