治療について知るアレルギー性鼻炎と鼻噴霧用ステロイド薬

アレルギー性鼻炎の治療に使われるステロイド薬の種類

一般に「ステロイド」とは生命の維持に不可欠なホルモンのことで、正常な人でも副腎、精巣、卵巣などから少量分泌されています。このステロイドホルモンは大きく「糖質コルチコイド」、「鉱質コルチコイド」、「男性ホルモン」、「女性ホルモン」の4つに分類されます。アレルギー性鼻炎の治療に使われるステロイド薬は、人工の糖質コルチコイドです。主に鼻噴霧用(点鼻)と経口のステロイド薬が使われます。

鼻噴霧用ステロイド薬

鼻に直接噴霧する薬で、粉末タイプ(粉末剤)と液体タイプ(液剤)があります。また1日1回の使用でよいものから1日複数回使用のものまで様々な種類があります。くしゃみ・鼻水・鼻づまりに等しく効果があり、約1~2日で効きはじめ、使い続けることによってより高い効果が得られます。現在のアレルギー性鼻炎治療薬の中では非常に効果の強い薬剤です。また、副作用はほとんどありません。

◆粉末剤の特徴
  • (1)液だれしない
  • (2)防腐剤や保存剤を含んでいない
  • (3)においや噴霧した際の刺激感がほとんどない
鼻噴霧用ステロイド薬

経口ステロイド薬

抗ヒスタミン薬との合剤がよく用いられます。よく効く薬ですが、副作用のため、短期間(4~7日間)の使用にとどめます。

経口ステロイド薬

鼻噴霧用ステロイド薬の作用機序

アレルギー性鼻炎の鼻粘膜では炎症を引き起こす細胞が集まり、炎症性の蛋白(サイトカインなど)がたくさん合成されています。鼻噴霧用ステロイド薬はこの炎症を引き起こす細胞に作用し、その数を減らしたり、炎症を起こすサイトカインの産生を抑制したりすることでくしゃみ、鼻水、鼻づまりを改善します。

鼻噴霧用ステロイド薬の使い方のポイント

◆用法用量を守りましょう

病院・診療所ではあなたの症状や治療希望に基づいてあなたに合ったお薬を必要な量だけ処方しています。従って医師に指示された用法用量を守ることが大原則です。自分の判断で量を増やしたり減らしたりしてはいけません。

◆正しい使い方を心がけましょう

液剤と粉末剤では全く使い方が異なります。ほとんどの液剤では初めて使う際、必要な量のお薬がきちんと出るまで空うちする必要があります。また、お薬の成分が均等になるようによく振ってから使う必要があります。さらに容器を傾けて噴霧すると必要な量のお薬が出てこない場合があるため、容器はまっすぐに立て、顔を少しうつむいて噴霧する必要があります。一方、粉末剤では空うちや容器を振る必要はありませんが一回ごとにお薬をセットする簡単な操作が必要です。また、どんな角度でも噴霧でき、顔がまっすぐ前を向いた状態であれば約45度で噴霧すると最も効果が期待できるとされています。 お薬と一緒にもらう説明書に書かれている使い方はそのお薬の効果を最大限に発揮させるための方法なので、できるかぎり使用説明書通りの、または医師・薬剤師から指導された通りの正しい使い方を心がけましょう。

◆勝手にやめない

鼻噴霧用ステロイド薬は血管収縮薬とは異なり、噴霧してすぐに効果があらわれるお薬ではありません。また使い続けることでよりよい効果が得られるといった特徴があります。すぐに効かないからといって自分の判断でお薬をやめてはいけません。また、症状が落ち着いていても症状のもとである炎症が続いている場合があり、お薬をやめることで以前よりひどい症状になってしまうこともあります。特に花粉症の場合は花粉の飛散が終わるまで、医師・薬剤師の指示通りに使い続けることをおすすめします。 あらかじめ毎日続けやすいお薬を選択することも大切です。使い方や噴霧感(刺激、液だれ、においなど)などの希望があれば医師・薬剤師に伝えましょう。

◆鼻をかんでから、または鼻が通っているときに

鼻水が多かったり鼻がつまりすぎたりしているとお薬がうまく届かない場合があります。鼻をかんでから、また、1日1回のお薬はお風呂上りなど比較的鼻が通っているときに使うことがポイントです。

鼻噴霧用ステロイド薬の副作用

鼻噴霧用ステロイド薬は鼻粘膜に直接噴霧するため、全身性の副作用はほとんどありません。鼻局所の副作用として鼻刺激感、乾燥感、鼻出血などが時々みられます。異常を感じた場合はすぐに医師・薬剤師に相談してください。